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【医師監修】薄毛治療と成長因子

更新日:2014年12月26日

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最近、巷で成長因子やグロスファクターといった言葉をよく耳にしませんか?
実際に、化粧品やサプリメントに成長因子、グロスファクターが含まれたものが多くなってきています。では、成長因子とは一体何なのでしょうか。

成長因子とは

成長因子は動物の体内で細胞の増殖や分裂・分化を促進する物質の総称で、様々なタイプのものが存在します。また、成長因子とともに成長ホルモンという言葉もよく耳にするのではないでしょうか。
成長ホルモンは体の様々な部位で作られ、ターゲットとなる器官に分泌されることで、その組織の成長を促進させ、代謝をコントロールする働きをもっています。その成長ホルモンは20歳代後半から急激に減少し、このことが老化のおもな原因となっています。
近年の研究から、成長因子がこの成長ホルモンを活性化する働きをもつこともわかってきています。

成長因子の働き

おもな成長因子の働きを挙げてみます。
上皮成長因子(EGF)は、上皮のターンオーバーを促進し、シミ・くすみを改善したり、繊維芽細胞成長因子(FGF)はコラーゲンを増殖させ、シワの改善をしたりします。そのため美容医療の現場では再生医療の一環として、この成長因子を活用しての治療も多くおこなわれています。
もちろん、毛髪の発育・成長に関わる成長因子も存在します。
ケラチン細胞増殖因子(KGF)は毛髪の成長に必要な成分を増加させ、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)は血管に作用して頭皮の血流を改善します。これらの毛髪の発育・成長に必要な成長因子を補充していく治療が、HARG療法と呼ばれるものや、当院ではステムリペアという治療に該当します。
そのような成長因子を直接、頭皮へ注入することで、毛母細胞を刺激して細胞分裂を活発化し、毛髪に必要な血管を刺激して毛母細胞への栄養供給も活発化します。

フィナステリドに治療対抗性をもつ遺伝子

最近、フィナステリドに治療対抗性をもつ遺伝子の存在が報告されています。そういった方には成長因子による治療はおススメです。
また、従来のAGA治療薬に含まれる「フィナステリド」(抜け毛防止成分)、「ミノキシジル」(育毛成分)などによるAGA治療では、おもうような効果が出なかった、効果は出たがさらにステップアップしたいなどといった方にもうってつけの治療といえるでしょう。
そのほか、成長因子が円形脱毛症の治療にも効果があったという報告もあり、円形脱毛症にお悩みの方にも朗報ではないでしょうか。

ご興味のある方は一度、成長因子を用いた治療をおこなっている医療機関にご相談してみることをおすすめします。

※記事内容は執筆医師による見解です。AGA治療ナビによる検証等を負うものではありません。

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