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【医師監修】薄毛の原因について、近因・遠因という視点から考えてみる (前篇)

更新日:2014年06月13日

薄毛の原因について、近因・遠因という視点から考えてみる。

銀座総合美容クリニック 正木院長画像

いつの時代も、さまざまなシチュエーションで、さまざまに語られているのが薄毛の原因。遺伝・睡眠・ストレス・毛穴の脂・・・、テレビや雑誌では日々これらのハナシが取り上げられ、男が2人集まれば酒の席でこんなハナシになる事も決して少なくは無いでしょう。
では果たして、これら巷で語られる「薄毛の原因たち」は、どこまでが真実で、どこまでが都市伝説レベルなのか? また、真実であっても近因(直接的な原因)にあたるものもあれば、遠因(直接的ではないが、何らかの原因になり得るもの)にあたるものもあります。そのあたりをこの機会に、区別してお話しが出来ればと思います。

直接的に原因となり得るものについて考えてみる。

まず、直接的に原因になるものについて考えてみましょう。

① 老化現象による毛量の低下

改めて言うまでもありませんが、歳を取れば人は髪が薄くなります。なにも老化現象と言っても中高年になって初めて薄くなるのではなく、20代以降時間をかけて徐々に徐々にボリュームが落ちてくるのが髪の老化です。とはいっても、その薄くなり方は「いわゆる若はげ」的な額や頭頂部を中心に地肌が露出するものではなく、触った感じや見た目のボリューム低下の範囲にほかなりません。幼少のころの髪のボリュームを一生保ち続ける事は基本的には難しく、誰にでも同じように起こる正常な変化だと思ってください。

②皮膚疾患による脱毛

代表的なものとしては脂漏性湿疹や毛嚢炎(モウノウエン)といった、頭皮のトラブルをもとに抜け毛が増える症状です。その進行に伴い抜け毛の量も増え、症状が改善されることにより抜け毛も治まってきます。症状は頭頂部や前額部などに特定されるものではなく、皮膚の状態によりかき壊してしまう場所については、特に抜け毛が多くなってしまいます。保険診療の受けられる一般の皮膚科に、ご相談いただくのが好ましいです。

③ 内科的疾患の影響による脱毛

甲状腺の病気や糖尿病など、内科的疾患の影響で抜け毛が増える場合もあります。こちらもまた、その症状に合わせて抜け毛の程度も変わりますので、心当たりがある場合は現在かかりつけている医師にご相談いただくのが良いでしょう。ただし内科的な疾患による影響で抜け毛が出る場合は、「いわゆる若はげ」的に額や頭頂部のみの地肌が露出することはありませんので、その点はおさえておく必要があるでしょう。

④ 円形脱毛症

かつて「10円ハゲ」とも呼ばれていた薄毛の症状で、硬貨大に髪の毛が抜けてしまう症状を円形脱毛症と言います。小さいものであれば米粒大から、時には頭部全体や時として眉毛などでもおこる症状です。単発的に出来るものもあれば、多発的に出来るものもあり、原因はストレスや自己免疫によるともいわれていますが、そのすべてが解明されているわけではありません。保険診療の受けられる皮膚科にて、内服薬や注射を用いて治療が可能です。

⑤ 男性型脱毛症(AGA)

いわゆる、かねてから「若はげ」と呼ばれていた、20~30代以降に発症する薄毛症状のことです。男性ホルモンが、5αリダクターゼと呼ばれる酵素により5αDHTという「髪にとっての悪玉男性ホルモン」に変換され、その5αDHTがアンドロゲン受容体という受け皿を通じて髪の生え変わりサイクルに影響する事で、症状が発現します。

正常な場合、2~6年おきに生え変わっていたそれぞれの髪の毛が、1年以内という短いサイクルで生え変わることにより抜け毛が増加します。もともと1日に100本程度生え変わっていた髪の毛は、寿命の短縮で1日に数百本づつ生え変わるようになり、やがて毛根は委縮し産毛化していきます。そのころには地肌が透けて目立つようになり、最終的には頭皮が完全に露出するようになります。

症状の発現する場所が特徴的で、アンドロゲン受容体が集中している頭頂部から前頭部にかけて薄毛症状がみられます。生え際および頭のてっぺんから薄くなり、やがて全体的に薄くなってくるわけですが、側頭部や後頭部に関しては、その症状が発現しません。いわゆる「若はげ」と呼ばれる薄毛症状の特徴的な進行の仕方で、老化現象を除いた場合そのほとんどがAGAと言っても過言ではありません。2005年10月のプロペシア国内認可とともに、一般の医療機関で保険外の診療を受ける事も出来ますし、私どものようなAGA治療専門の医療機関でも治療が可能です。どちらにしても、民間療法ではなく医療機関にて治療が可能な脱毛症です。

⑥ 物理的刺激による脱毛

ときに牽引性脱毛とも呼ばれる症状で、女性の方がポニーテールなどで髪を強くひっつめて強い力で引っ張ってしまう事で、生え際や裾などが薄くなることをいいます。ほかにも、ヘアピンによる圧迫やカツラのピンなどでも症状が起きる事があり、その改善には圧迫部位を緩和させるしかありません。長期にわたりその状況を続けてしまうと改善が難しい場合もありますので、ヘアスタイルや分け目を定期的に変えたり、ヘアピンの位置を変更したりするのが望ましいです。

⑦ トリコチロマニア(抜毛症)

トリコチロマニアとは、無意識に自分の髪を抜いてしまう症状のことで、脱毛症というよりも「癖」に近いものと言えるかもしれません。利き腕側の生え際や側頭部、時には眉毛などに症状が出る事が多いですが、その場所も範囲もさまざまと言えます。単純に癖と言えることが出来る場合もあれば、心因的なものもありますので、その点もおさえておかねばなりません。

以上の7点が、いわゆる近因とよばれる直接的な薄毛症状の原因といえます。老化現象を除いた場合、その多くが男性型脱毛症(AGA)にあてはまるといえるでしょう。AGAのように薄くなる場所が特定されるものもあれば、全体的に症状が出るものもありますし、その対処法もさまざまと言えますので、それぞれにあった医療機関にご相談をされてください。

→ 後篇に続く

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※記事内容は執筆医師による見解です。AGA治療ナビによる検証等を負うものではありません。

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