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【医師監修】さまざまなAGA治療について~ガイドラインをもとに~

更新日:2013年11月13日

医師画像

現在の発毛・育毛業界には様々な発毛治療法が行われています。きちんとした科学的根拠に基づいた治療や根拠のない民間療法までたくさんの治療法が行われていますが、2010年に日本皮膚科学会が発毛治療のガイドラインを発表しておりますので、本日はこのガイドラインをもとに様々な治療法についてお話したいと思います。

育毛剤・育毛シャンプー 発毛サロン・エステでの育毛治療について

市販の育毛シャンプー・育毛剤は医薬部外品で医薬品ではありません。近所のドラッグストアなどで誰でも購入できます。有効成分が成分表には書かれていても、含有量が非常に微量だったり、頭皮から微量しか吸収されなかったりといったものです。ただ微量でも有効成分が含まれているために「効果がないとは言えない」商品です。ただし、ミノキシジル含有の外用剤は医薬品としてきちんとした効果が認められています。
 また発毛治療は様々な民間療法がありますが、費用、通院回数の負担が医療機関で行うAGA治療よりも割高の発毛サロン・エステが多く見られます。多くの発毛サロン・エステでは医療行為は行えないため、施術に医学的根拠はありません。きつい言い方かもしれませんが、こういったところは我々医師の立場からするとお金と時間の無駄としか思えません。

フィナステリドとミノキシジル

ようやく本題にはいります。科学的根拠に基づいて日本皮膚科学会が現在推奨している治療は以下の通りです。

日本皮膚科学会の推奨度

推奨度 種類(薬・施術)
A.強く勧められる フィナステリド(プロペシア)
ミノキシジル
B.勧められる 自毛植毛
C1.十分な根拠がない 塩化カルプロニウム
t-フラバノン
アデノシン
サイトプリン
ペンデカン
ケトコナゾール
D.勧められない 人口毛植毛
女性へのフィナステリド

2010年 日本皮膚科学会 男性型脱毛症ガイドラインより

わかりやすく言うと「Aから順にC2までが治療として勧められる、Dは行わないように」といったところです。つまり推奨度Aが治療の第一選択とされる薬剤です。フィナステリド(プロぺシア)の内服とミノキシジルの外用が推奨度Aとされています。フィナステリドは国内の臨床試験では写真評価で軽度改善以上の効果が患者の58%、不変以上が98%であったことが知られています。このことよりフィナステリド単剤では現状維持の効果が期待できるということになります。また、このデータは現状維持以上を望まれている方にはフィナステリド単剤だけでなくその他の薬剤も併用する必要があることを示しています。
 次にフィナステリドと同じく推奨度Aのミノキシジルの外用薬は、テレビでも有名な俳優さんが宣伝していますが、外用だと実はかなりの量が気化して頭皮に吸収されません。そのため多くの発毛クリニックでは内服か頭皮に注射する方法で治療していることが多く、外用薬はあまり使用されていません。
 現状維持以上の発毛を希望される方には日本皮膚科学会が推奨している薬剤であるフィナステリドとミノキシジルの内服併用加療をおすすめします。それに加え亜鉛など発毛に良いとされるミネラルの摂取や頭皮を清潔に保つことが大事だと考えます。発毛治療を行っているクリニックごとに価格は違いますが、フィナステリドとミノキシジルの併用療法の費用対効果は群を抜いていますし、発毛効果は頭皮に直に注射するような治療法と大きく変わりはありません。効果が認められない場合に注射等に切り替えていけばよいと思います。

植毛について

現在の医学では毛母細胞の存在しない部位からは発毛できません。そのためそのような方は自毛植毛すべきでしょう。人口毛植毛は頭皮に異物を植え付けているので頭皮を痛めているだけだと思います。人口毛植毛は学会からも推奨度D(勧められない)とされています。

その他の薬剤について

推奨度C1の塩化カルプロニウムは外用剤としてよく用いられています。ケトコナゾールは含有シャンプーが市販されています。C2のセファランチンはAGAというより円形脱毛症に用いる薬剤です。

※記事内容は執筆医師による見解です。AGA治療ナビによる検証等を負うものではありません。

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